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無垢材からも化学物質が発散「無垢材なら心配ない?」
スギやヒノキなどの無垢材から出る香りを気持ちよいと感じる人は多いだろう。香りの主な成分は、α−ピネンやリモネンなどの揮発性物質。無垢材を使用する際の注意を促す田村靖夫・秋田県立大学名誉教授は、「無垢材からもホルムアルデヒドが発散することを認識して欲しい。実験データーは少ないものの、乾燥材では発散量が増える傾向だ。辺材と心材でも違う。」ヤニを多く含む樹種にホルム発散量が多い場合があるとも。調査では、カラマツのホルム発散量はスギの約4倍だったという。また、厚生労働省の室内濃度指針値が0.03ppmのアセドアルデヒドについて、「アセドアルデヒドがホルムアルデヒドより発散量が多い樹種もあり、指針値を守ろうとすると、無垢材でも使用する場所や量に配慮しなければならない場合もでてくる。」と指摘している。
即ち自然建材=100%安全という見方は改める必要がある。
ホルムアルデヒドの脅威
ホルムアルデヒドは刺激臭のある空気よりも重たい気体であり、短期間で揮発してしまう物ではなく、常温(20±25℃)で室内中の湿気や各種合板・コンクリート部分へ移送転送して、あちこちに吸着・排気を繰り返しながら徐々に放散されていく。コンクリート壁やRC躯体では水分があるとかえってホルムアルデヒドが放散しにくくなり、石膏ボードや合板では湿気があり、温度が高くなるほど水分の揮発とともにホルムも放散される。シックハウス症候群の要因と言われている。
発がん性の危険値
ホルムアルデヒドの体内蓄積量が増え続け、その量が発がん性危険値の16ppm達すると発がん性を伴う。アメリカ環境保護庁(E・P・A)の国内調査によると、室内空気汚染物質が原因で年間35,000人がガンで死亡したと発表している(1996)。

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